『エーゲ海のねこ シエスタの町から』エピソード・2

私はネコを撮っているけれど、ネコ写真家ではない。
『エーゲ海のねこ』なんて、タイトルに堂々とネコを謳った写真集を出しているにもかかわらずだけれど。
(なぜタイトルがそうなったかは、前回のポストに書いたので、そちらをご覧いただきたい)
巻末に記したプロフィールのとおり「世界でただひとりのシエスタ写真家」であって、「シエスタの町」を撮ることがライフワークだ。
だから町を歩く時も、決して血眼になってネコを探して...という感じではなく、町歩きそのものを楽しんでいる。
ただ、「シエスタの町に流れる癒しの風」を表現するには、彼らの姿は大いに貢献する。
町にはイヌやヤギ、ヒツジたちも住んでるけれど...、シエスタの町にはネコがひと際よく似合うのだ。
ある日、島の山間の小さな鄙びた村を訪ねた。
私は、およそ観光客なんて来ないであろう、昔ながらの生活が残る村落を巡るのが大好きだ。
その村も観光客どころか、家屋はあるものの人の気配はほとんど感じられなかった。
人影のない村の中を、自分の足音だけが付いて回る。
こう書くと、ちょっと不気味に感じられるかもしれないけれど...
実際は、地中海の陽気なお陽さまのおかげで寂しさは感じられないし、時おり小鳥の美しく軽やかなさえずりが聴こえてきて、なんとも清々しかった。
そんな村の散策を楽しんでいるとき...
「ガサガサッ、ガサガサッ!」
突如、静寂を破る異質な音が。
すぐ近くの家屋からのようだ。
そっと忍び足で近づいて
恐る恐る門扉から覗き込むと...
!!!
音をたてた主は、3匹の子ネコたち。
まだ2~3ヶ月だろうか。
無邪気に絡まりながら、カラカラに乾いたブーゲンビリアの花と戯れていた。
ほっと一息。
危険なものじゃなくてヨカッタ。
もっとも、危険な動物なんて、いくつかの毒蛇を除けばほとんどいないのだけど。
さて...
想像していただきたい。
もし、コレがネコではなくヤギだったら...
ね?
やっぱりネコの方が似合うでしょ?...
Photo:
ヒトもネコも子供は遊ぶのが大好き
私のことには目も暮れず
ただただ遊びに夢中だった
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ASUHA-明日葉- ファースト・コレクション(写真集)
『エーゲ海のねこ シエスタの町から』
PHP研究所 刊
定価:1350円(税込:1458円)


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