この箱、な〜んだ?

緑の中に、何やらカラフルな箱がたくさん...。
シエスタの町からほんの数分クルマを走らせれば、こんな光景に度々出逢う。
箱の正体は、ミツバチの巣箱。
地中海地方では養蜂が盛んで、特に島嶼部では大切な収入源のひとつだ。
養蜂と言っても、島にはさほど大きな施設はない。
村に共同の養蜂場があれば立派なもので、個人で細々と営んでいるほうが多い。
商売目的ではなく、専ら自家消費のために巣箱を持っている家庭も少なからずだ。
島の土産物屋や食料品店に行けば、地元で採れたハチミツの瓶詰めが並んでいる。
その美しい琥珀色から、一目で新鮮・濃厚なことが想像できる。
なにしろ、水飴などを一切足していない、100パーセントピュアの超一級品だ。
島のハチミツの多くは一種類の花から採れる単花蜜ではなく、いろんな花から集められた百花蜜と呼ばれるモノ。
例えば、タイム、レモン、アーモンド...。
ハチミツの採取の時期によって咲いている花も違うから、その色や香りに違いが出てくる。
民宿とスーパーマーケットを営む傍ら、養蜂をしている私の現地の友人の話だけれど...
昨年宿泊したドイツ人がそのハチミツの美味しさに驚いて、こっそり本国の研究機関に持ち込んで調べてもらったところ、この上ない高品質だということがわかったそう。
今年の春に再訪したそのドイツ人は、今年の生産予定分を全て買い占めてしまった。
おかげで友人はスーパーで売るものも、自宅で食べる分さえ無くなってしまったらしい。
そんな、もしも日本で売られたなら、相当な高値がつきそうな逸品。
だけど、島では例えば500ミリリットル入りの瓶が、僅か5ユーロほどで買えてしまう。
なので、ついお土産にと何本か買って帰るのだけれど...
す〜っごく重いんだな、コレが...。
Photo:
身体の小さなミツバチだけれど
刺されるととても痛い!
くれぐれも不用意に近づかないように


スポンサーサイト